TOP > TOPICS > From FIRENZE : 冬から春へ
COLUMN
見頃を迎えたお花
寒い日が続いた今年の2月。街を歩くと、冬咲の花が見頃を迎えていました。フィレンツェの中心街を離れた場所には自然が多く、道沿いには梅や桃?に似た花が良く植えられています。桜のお花見には少し気が早いですが、ひと足先に春の訪れを感じる2月の始まりでした。
バレンタイン装飾のショーウィンドウ
2月のイベントといえば、バレンタイン。イタリアではSan Valentino(サン・ヴァレンティー ノ)と呼ばれ、主に男性から女性に対してお花(主にバラの花)を贈る恋人たちのイベントです。
イベント当日になると、レストランはカップルのお客さんで一杯。各々赤い薔薇を持って、恋人とロマンチックな晩餐を共にします。日本では女性が意中の相手にチョコレートを贈るイメージですが、海外(キリスト教圏)ではカップルがお互いの想いを再確認する大事なイベント。特に「Amore アモーレ(愛)」を何よりも重要視するロマンチストなイタリア人にとっては、大切な1日なのです。
ミモザ
そんなバレンタインから暫く経った3月。次に待ち構えるイベントは「国際女性デー」、イタリアでは「Festa Della Donna フェスタ・デッラ・ドンナ(女性の日)と呼ばれています。日本ではあまり馴染みがないようなイベントですが、こちらはバレンタインさながらこの国では大事な日。国際女性デーとは1904年にアメリカ、ニューヨークで行われた女性の労働への参画を求めて行われたデモが元となり制定された国際的な記念日です。3月のこの時期はミモザの開花と重なることもあり、イタリアでは日々の感謝を込めて恋人・友人・母親などの身近な女性にミモザの花を贈ります。この日はバレンタインの赤いバラの花と変わり、街中では黄色の小さな花を手にした幸せそうな女性が多く見られました。
カフェのショーウィンドウ イースターver.
暖かな日差しに春を感じる3月末、4月を目前にした3月最後の日曜日は、クリスマスに並ぶキリスト教のビック・イベント「復活祭(イースター)」。イタリアでは「Pasqua(パスクア)」と呼ばれ、その年の「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」とされており、毎年日にちが変わります。十字架にかけられたイエス・キリストが3日目に復活したことを祝した、キリスト教において重要な祝日なのです。
敬虔な家庭は午前にミサに出席し、そのまま家族で昼食をとります。家や地域によりますが、メインは主に仔羊の肉料理、デザートには平和の象徴である鳩を模したケーキ、「Colomba(コロンバ)」を食べ、みんなでお祝いします。宗教的な記念日ではありますが、普通に家族や招待した友人とおしゃべりながらの食事を楽しむ1日なのです。
真夜中のミサ
*おまけ
パスクアを前日に控えた3月30日深夜。家に帰る道中、普段なら閉まっているはずの教会に灯りが。覗いてみると、教会の中ではミサが行われていました。パスクア前日の夜中から当日の24時にかけて行われているようで、見慣れない風景についつい足を止めてしまいます。あまり馴染みのないイベントが多い国、イタリア。因みにフィレンツェではパスクアに行われる伝統行事があります。大聖堂の前に大きな山車が出され、大聖堂内の祭壇に設置された鳩型の人形に点火し、引かれたワイヤーを伝って山車へ一直線に飛ばすイベント。無事山車へ鳩が辿り着き、鳩型人形が山車に点火をすると爆竹が弾けます。毎年行われるこの伝統的イベントは、曰く、その年の吉兆を見るような面を持ち合わせている為、成功すれば「今年は安寧」うまく点火しなかったり鳩が途中で止まったりすると「縁起が悪い」と言った意味合いがあるようです。
[PROFILE]
MISA
イタリア在住のフリーランスデザイナー。フィレンツェの美術専門校を卒業後、紳士服店のグラフィックデザイナー兼テキスタイルデザイナーで、今はフリーのグラフィックデザイナー等、活動している。
Instagram @misa_7979
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