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From FIRENZE: フィレンツェの休日

サンタンブロージョ市場の蚤の市

サンタンブロージョ市場の蚤の市

 

暑い夏が過ぎ、秋を迎えたフィレンツェ。お天気にも恵まれた日曜日、街は普段よりも賑わっていました。というのも、街中では各週末に広場や公園で露店が並び、様々なイベントが行われるのです。毎週異なるコンセプトのお店が並ぶため、足を運ぶたびに新しい出会いが。この日は中心街からしばらく歩いた場所に位置するサンタンブロージョ市場で行われたメルカートまで足を伸ばしてみました。以前に紹介したメルカートとは違い、今回はアンティーク商品を中心とした商品が並び、地元の人々だけでなく海外からの観光客の姿も。年季の入ったヴィンテージアイテムを興味深そうに眺めていました。

 

休日で賑わうメルカート

休日で賑わうメルカート

 

さらにこの日は市場から少し離れたところでもメルカートが開かれ、そこではハンドメイドのアクセサリーやイラスト、古本などが売られていました。職人と呼ばれる人々が今も多く存在するフィレンツェ。ふと立ち寄ったお店に並ぶ商品にも、その技術がしっかりと刻まれているのがよく分かります。普段なら見かけないようなユニークなアイテムに出会えるため、ついつい足を止めてしまいました。

 

サルヴァトーレ・フェラガモ

サルヴァトーレ・フェラガモ

 

個性的な作品を楽しんだ後は、中心街に戻り散策開始。中世の時代からある建物を眺めながら向かった先は、サンタ・トリニータ橋。近くには橋の名前の由来にもなったサンタ・トリニータ教会やサルヴァトーレ・フェラガモの本店などが立ち並び、景観だけでなくファッションブランドのウィンドウディスプレイを楽しむことが出来ます。フィレンツェには美術学院などのアート・ファッション系の学校が多くある為、インスピレーションを求める学生の姿を見かけることもしばしば。街の至る所に教材となるような物が溢れているのも、フィレンツェの魅力ですね。

 

Arsdecorating

Arsdecorating

 

サンタ・トリニータ橋を渡ると、そこには先ほどのブティック街と打って変わり、こじんまりとした隠れ家的なお店がちらほら見られます。店のご主人の趣味が一目で分かるような古着屋に、中世のシャンデリアや調度品が並ぶ骨董屋、さらにお店と工房が一体化したジュエリーショップなど、興味をそそられるお店が多く並んでいました。その中でも一際目を惹かれたのが、ピッティ宮殿のすぐそばに店を構える「Arsdecorating」。可愛らしい魚のシンボルが飾られた扉からまず目に入るのは、店内の至る所に飾られた絵画の数々。自然などからインスピレーションを得たという装飾的な絵にはアンティークのウッドパネルを使用しているのだとか。アーティストが描く愛らしい動物や植物がそんな古きアイテムと調和する事で独特なヴィンテージ・テイストを 生み出しています。

 

店内

店内

 

年季を感じる調度品に囲まれた店内ですが、そのどれもが決して燻っている訳ではなく、むしろ現代のアーティストたちの手によって美しく磨かれ、味のある、けれど古臭さなど感じさせない魅力的なプロダクトとして置かれていました。中にはハリネズミや猿をモチーフにしたジュエリー、ハンドバックなどが飾りのようにあり、一体どこからどこまでが商品で店の装飾なのか。彼女たちの作り出す世界観に思わず圧倒されてしまう、アーティストの持つ独自の感性とヴィンテージアイテムが放つ趣が融合する不思議な雰囲気に包まれたお店でした。
Instagram:@arsdecorating

 

ヴィンテージアイテムと並ぶアクセサリー

ヴィンテージアイテムと並ぶアクセサリー

 

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