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COLUMN
モイ!
世界で一番知られているフィンランド語、ご存知ですか?
この数年日本全国でサウナ文化がとても盛り上がり、毎月のように新しいサウナ施設が オープンしています。フィンランドをはじめ、エストニアやドイツなどヨーロッパの多くの国ではサウナ文化が日常生活の欠かせない一部ですが、「サウナ」という言葉自体は、実はフィンランド語なんです!
今回のコラムではフィンランドのサウナの魅力をご紹介します。
多くのサウナが湖畔に位置していて、大自然と繋がることができます
フィンランドのサウナと言えば
フィンランドは面積的に日本の9割ですが、人口はわずか550万人、北海道とほぼ同じ。この少ない人数に対してサウナの数は約300万。フィンランド人のみんなが同時にサウナに入れると言っても良いでしょう。
フィンランド人にとってのサウナは、日常生活になじんでいる国の文化であり、2020年に念願のユネスコ無形文化遺産にも登録されました。元々公衆サウナは地域の方が体を洗えることはもちろん、コミュニティと交流できるところとしても定着してきた文化ですが、 今はほとんどの住宅にサウナが当たり前のように付いています。
フィンランドのサウナの特徴と言えば、サウナストーブの石に水を投げて蒸気を発生させ る「löyly(ロウリュ)」。温度低め(70度~80度)、湿度高めが定番ですが、ロウリュをかけることで温度も湿度も自分が気持ちよく感じるように自由に調整できます。
フィンランドのサウナはシンプル。ロウリュを投げるようにバケツとラドルさえあれば十 分。
自然と人を繋ぐサウナ
サウナは住宅はもちろんですが、街中の公衆サウナやサウナリゾート、ホテル、学校や会社、観覧車やゴンドラサウナという変わった施設など、いたるところでサウナに出会えま す。
夏休みを長く取ることで知られているフィンランド人は、お休みの間、湖畔にあるコテージに移動し、そこでサウナに入り湖に飛び込んで、桟橋で風を感じながらゆっくりして、自然の中で疲労を解消しています。湖畔や森の中にあるサウナが多くて、直接湖に飛び込めること、大自然の美味しい空気が吸い込めること、自然と一体化できることもフィンラ ンドのサウナ文化の大事なところ。
湖にドボンできるコテージサウナ、私の一番好きなサウナの種類。
フィンランドのサウナはものは要らない、シンプルにリラックスできる場所。ストーブで 燃えている薪のパチパチする音、じゅわ~っと柔らく温めてくれるロウリュ、周りのきれいな自然、仲間と過ごす気持ち良い瞬間そのものを楽しむ。また、フィンランドは“サウナの中はみんな平等”という考え方があり、肩書き、年齢、性別などを問わずみんながフラットに楽しめるところです。
あまりにも普通なことなのでサウナの役割や意味を意識せずに入ることが多いと思いますが、一瞬止まって考えてみるといろんな役割があります。
リラックスできるところ、体と心をきれいにするところ、疲れをふき飛ばすところ、人とコミュニケーションが取れるところ、自然と繋がるところ、大事な人と過ごすところ、悩みを忘れてストレスを解消するところなどなど。
サウナはあまりにも普通であると同時にやはりすごく特別。
世界サウナキャピタル「Tampere(タンペレ)」を代表するサウナ&湖の風景。
船でしか行けない島の公衆サウナ
フィンランドには個性のある魅力的な公衆サウナがとても多くて、おすすめを選ぶのが難しいですが、最近入って特に好きになったサウナの一つをご紹介します。
今年の夏休み初めていってきた、首都のヘルシンキにある「Lonna(ロンナ)」。こちらのサウナは島に位置し、ヘルシンキのマーケットスクエアから船に乗って10分ぐらいで辿り着くところ。
ロンナ島の魅力的な赤レンガの建物、海と自然の組み合わせ。
ロンナ島の赤レンガの建物と自然の絶妙な風景に魅了され、ヘルシンキにいることを忘れます。2つの大きなサウナで包まれるかのような柔らかい蒸気に癒され、体が十分温まったらバルト海に飛び込んでクールダウン。気持ち良い波から上がって、ウッドデッキで海をみながらゆっくり外気浴。またサウナに戻って温まって、海に飛び込んでゆっくり過ごして、永遠に繰り返せるほどの気持ち良いループ。サウナを満喫したら島には美味しいレストランもあって、心も体も喜ぶサウナ体験。
ウッドデッキに座って自然の絶景を見ながら風を感じて外気浴。贅沢なひととき。
自分の好きなサウナ探し
最後に、フィンランドのサウナの大事なことをもう一つ。フィンランドのサウナはルールがありません。週に何回入るとか、一回で何分ぐらい入るとか、正しい答えはありません。自分が気持ち良いと感じるのであれば、それが一番良い、一番正しい楽しみ方だと私は思います。
ぜひフィンランドに旅する機会があれば、自分の好きなサウナ、自分の好きなサウナの入り方を探ってみてください。
[PROFILE]
Noora Sirola(ノーラ・シロラ)
フィンランド・タンペレ市出身。 大学院卒業後、2019年から駐日フィンランド大使館商務部兼フィンランド政府観光局で観光推進、PR&マーケティングなどフィンランドの魅力を様々なメディアで発信。2022年からは北欧旅行フィンツアーの表参道の北欧カフェ&ショップ「Hyvää Matkaa!」のプロジェクトマネージャーを務めながらフィンランドと日本を繋ぐコネクターとして活動。
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