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COLUMN
カップル制度とドレス選び
市庁舎のホールで晴れて夫婦に
最近、結婚式に招待される機会が続けてありました。
そのうち一つは、赤ちゃんの時から知っている義理の姪っ子のマリアージュ。
パリで生まれ育った生粋のパリジャンとパリジェンヌ。出会いは高校だそうで、昨今アプリで出会って付き合って結婚が増える中、こういうオーソドックスな出会いもまだまだ健在のようです。
若々しい花嫁によく似合うドレス
フランスの一般的な結婚式の流れは、住んでいる場所(もしくは両親の住む場所)の市庁舎で、市長の前で宣誓しサインをする→それぞれの宗教の教会での式→レストランやホテルを貸し切って披露宴なのですが、今回の式ではなんと5回にわたり、市役所→両親宅でのアペリティフパーティ→ユダヤ教会での式→パリ市内レストラン貸し切りパーティ→郊外のホテル貸し切りパーティ
となんとも豪勢な、かつ体力勝負の連続イベントでした。
簡単にフランスのカップル制度について述べておくと、
1.普通に日本と同じ法律婚、2. パックス(法律婚よりもライト、ただの同棲よりも法的権利がある)、3.ユニオンリーブル(いわゆる同棲届、法的権利はなし)の3つのスタイルがあり、離婚にお金がかかり複雑な法律婚に比べ、パックスで済ませるカップルは年々増えています。パックスを試しておいて、数年後に法律婚するカップルもいますし、死がお互いを別つまでパックスのカップルもいます。
さて、花嫁のドレスに関して。
普通日本では、当日に向けて2人でドレスを選んでいくのが通常ですが、フランスではドレス選びは花嫁とその母親で極秘に進められます。そして式の当日、花婿は妻になる人の花嫁姿を見て感動する、というドラマティックな演出なのです。
ちなみにドレスをレンタル、というのはいまだ聞いたことがありません。高価でないドレスもありますし、やはり自分だけのオリジナル、というのが大事なポイントなのです。
姪っ子の場合は、市庁舎での式はまるでバービードールのような(実際に金髪青い目の彼女にはよく似合っていた)白地に花柄のドレスにワインピンクのコート、同色のルージュ&靴、自分に似合うものをよく分かっていて、クラシックな市庁舎の建物によく映える美しい装いでした。
教会では、純白ドレスに長いヴェール。
パリ市内のレストランにてディナー
レストランでは、トワル・ド・ジュイの布をたっぷり使ったロマンティックな紫のドレス。
最後の郊外での晩餐会では再び白いドレス、美しく背中の開いたクラシックなドレスは、この時点ですでにマダム(ミセス)となった彼女に一番似合っていました。
西洋絵画のような純白ドレス
ゲストの装いはさまざま。花嫁とかぶる白と、お葬式を連想させる黒はタブーと言われますが、黒いシンプルなドレスやパンツスーツの女性が多かった気がします。
郊外のシャトーホテルで最後のパーティー
最後のパーティーが始まったのは19時。シャンパンから始まり、デザートが終わり夜中1時を過ぎても、老若男女が大音量で踊りまくり。パリに戻るのに1時間はかかる郊外で、しかも日曜の夜……皆さん翌日(というより当日?)朝から仕事や学校があるでしょうに、そのパワーに驚くばかり。
毎回招待されるたびに、ラテン民族との圧倒的体力の差が見せつけられるのが結婚式なのです。
[PROFILE]
KISAYO BOCCARA
パリ在住の帽子職人&通訳コーディネーター。東京藝術大学デザイン科卒業後、渡仏。パリの帽子専門学校を卒業し、C.A.P.職人国家資格を取得。現在は、帽子&アクセサリーのブランドを運営しつつ、日仏をつなぐコーディネーターとして活動。パリ郊外の森近くにて、夫と息子2人の4人暮らし。
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