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COLUMN
パリでTokyoプロモーション
東京の今昔を表すポスター
よく笑いのネタにされるように、フランス人の生き甲斐はヴァカンス。
長いヴァカンスが終わったと思ったら、次のヴァカンスの予定を考え、ヴァカンスのために貯金をし、それをヴァカンスで思い切り散財します。
先日ある旅行会社の記事を読んでびっくり。コロナ収束後に行きたい国のトップが日本、というのです。
年間通して、あちらこちらで開催される日本がテーマのイベントや展覧会、美術展。繊細で素晴らしい文化だとか、親子二代アニメ観て育ったとか、唯一無二のリスペクトな国民だ、などそこら中で褒め称えられていますし、日本フェスの動員数はうなぎ上り。
そのようなフランス人の日本好きには気づいてはいましたが、私は長期海外在住者なので、母国を贔屓目に見ているのか、とも思っていました。
が、今回この東京プロモーションのイベントで、旅行関係のプロや一般の来場者の話を聞くと、いかに日本が人気の観光地として盛り上がってきているのかが体感できました。
プロ向けレセプションパーティ
2日間にわたるこのイベントは、初日はプロ向けにアンヴァリッド廃兵院の隣にある大会場にて。東京からこのために来仏した観光協会の方々やイベント会社のスタッフの方々が、日本や東京を知ってもらおうと様々な体験ブースを用意していました。
寿司に群がる来場者たち
いちばん人気のプログラムは、日本から呼んだ寿司職人によるパフォーマンス。パリで寿司レストランは乱立していますが、その9割以上はチャイニーズによる“なんちゃって寿司”。日本の職人による本物の高級寿司を食べようと思ったら200€はかかってしまいますから、目の前で握られる日本から空輸した食材を使った寿司を味わおうと殺気立っていました。
一般向けワークショップ
2日目は一般向けのイベント、会場は若者たちで賑わうシャトレのショッピングモールの広場。パリでいちばん人が行き交う場所です。ここでもまた、書道体験、だるま絵付け体験、観光地の紹介、国民食であろう日本のカレーや牛丼のデギュスタシオン(テイスティング)が行われ、隣の映画館では、日本の映画が毎時、無料で上映されました。
人気Youtuber登壇
その映画の一つの監督、シープリアンさん(日本で言うヒカキンさんレベル?のユーチューバー)が、日本好きが高じて撮ってしまったドキュメンタリー映画が好評で、舞台挨拶に来た彼を見ようと若者たちが行列をなしています。他にも10〜20代に人気のユーチューバーはこぞって日本好き。ゲームやアニメのベースも大きいのでしょう。
インフルエンサーに影響を受けた若者たちも、いつか日本に行ってみたいと思っているようで、思春期の我が息子たちのクラスメートにも次の帰国に同行させてくれ、とよく頼まれます。
旅慣れた大人だけでなく、経験少ない若者にも日本はおすすめの旅行先。これは客観的にみても、間違いない。
1:清潔 2:サービス 3:食べ物が美味しい 4:安い 5:セキュリティ
1、2に関しては世界一と言っても良いかもしれません。3は美食フランス人には大事なポイント。4は円安もあって加速していますが、飛行機チケットが倍の値段になっているので相殺でしょうか。
そして5の安全面。子供たちを行かせる親にとっては、これほど安心の国はないと思います。今後、観光の国としてさらなる発展を目指していくのであれば、これは特に死守してもらいたい。この先もずっと、安心が自慢できる国であってほしいと願っています。
[PROFILE]
KISAYO BOCCARA
パリ在住の帽子職人&通訳コーディネーター。東京藝術大学デザイン科卒業後、渡仏。パリの帽子専門学校を卒業し、C.A.P.職人国家資格を取得。現在は、帽子&アクセサリーのブランドを運営しつつ、日仏をつなぐコーディネーターとして活動。パリ郊外の森近くにて、夫と息子2人の4人暮らし。
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