アルノ川沿いの風景

古い街並みと多くの美術品で溢れるフィレンツェですが、実は美しい自然にも恵まれた町なのです。初夏を迎えるこの季節には、中心街から少し足を伸ばしてトレッキングなどに出かける人々を見かける事があります。その中でも町の中心を流れるアルノ川沿いは、散歩にうってつけ。初夏の心地い日差しを受け、周りの風景を楽しみながら歩く事ができます。観光名所である町中から一変した、豊かな自然に愛らしい住宅が並ぶ風景を眺めながらのお散歩は格別。川沿いをまっすぐに伸びる道には、お洒落なカフェやレストランが立ち並び、ジョギングやお散歩後の一服を楽しむ人々の姿が見られます。

アイリス庭園(Giardino dell’Iris)

周囲に小高い丘を持つフィレンツェ。コロナ禍が明けた現在、町の周りの森は運動不足に悩まされる方にはぴったりのトレッキングスポットとなっています。林に囲まれた緩やかな坂道で、初心者の方でも無理なく登る事ができ、休日には家族連れのグループを見かけることも。また、運の良い日には山に棲む鹿や野うさぎに出会え、ちょっとしたふれあい動物園気分を味わえます。(見ているだけですが…) 自然に囲まれた環境で体を動かせ、且つ登りきった後には美しい景色が待つ素敵なスポットです。

アイリスの花

初夏のお散歩スポットは郊外だけはありません。中心街の方では公園や庭園で素敵なイベントが行われ、お散歩ついでに足を止める人達が見られます。フィレンツェの町が一望出来ることで有名なミケランジェロ広場のすぐそばにあるのが、アイリス庭園。その名の通り、色鮮やかなアイリスの花で彩られた庭園です。この場所ではアイリスのコンクールに出展、また実際に賞を受賞した品種を見ることが出来ます。さらに売店では、花の球根を購入でき、自宅にお持ち帰りすることも。ミケランジェロ広場までのお散歩のあと、皆さん美しいお花に癒されていました。

オルティコルトゥーラ庭園 (Giardino dell’Orticoltura)

素敵な植物で彩られるフィレンツェの庭園ですが、中心街から少し離れたオルティコルトゥーラ庭園では思わず足を止めてしまうイベントが。普段は地元の人々が犬のお散歩に訪れる静かな庭園ですが、この日は敷地内に多くの露店が並んでいました。並んでいるのは全て植物。植木から小さな観葉植物までありとあらゆる品種が売られ、それを求めて多くの地元住民が訪れ、賑わっていました。家のテラスや庭を花や植木でお洒落にガーデニングする事が大好きなイタリア人。そんな彼らが見つめる先には、鮮やかな色合いの花たちやこれからの季節に嬉しいレモンの木、お料理に必須のハーブ各種などなど。素敵な庭やテラスにする為の植物をじっくり選んでいました。

植物を選ぶ人々

スイカとメロンのグラニータ生クリーム添え

*おまけ
夏の暑い時期。町の至る所で、冷たいジェラートを食べる人たちを良く見かけます。照りつける日差しの中、溶けそうになるジェラートを食べるのもいいのですが、イタリアにはもうひとつ、夏を乗り切るための氷菓が。シチリア発祥の冷たいスイーツ、その名も「グラニータ」。しゃりしゃりとした食感がたまらないイタリア版のかき氷。フルーツからコーヒまであらゆるフレーバーを楽しめる、暑い夏に必須のスイーツです。

[PROFILE]
MISA

イタリア在住のフリーランスデザイナー。フィレンツェの美術専門校を卒業後、紳士服店のグラフィックデザイナー兼テキスタイルデザイナーで、今はフリーのグラフィックデザイナー等、活動している。
Instagram @misa_7979