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COLUMN

ヴェッキオ橋
ルネサンス期に芸術や文化が花開いたフィレンツェ。当時フィレンツェの貴族であるメディチ家に支援されていた芸術家や文化人は後世にも多大な影響を与える作品を残しています。そんな黄金時代に確立されたものの一つがフィレンツェの伝統技法でもある「フィレンツェ彫り」です。
当時の金細工師により生み出されたこの技法は、専用の工具を使用した「透かし彫り」でジュエリーの表面に植物などの細やかなデザインの彫刻を施します。ジュエリー全体に彫り込まれたデザインからは芸術性はもちろん、高度な職人技術が感じられ、彫りの凹凸により輝くジュエリーは人々を魅了します。まるでモチーフをそのまま落とし込んだ精巧なデザインには職人の情熱が刻まれているようです。

ヴェッキオ橋の宝飾店
観光スポットとしても知られるヴェッキオ橋には、フィレンツェ彫りのジュエリーを取り扱う宝飾店が多く存在します。ショーケースにはそれぞれデザインの異なるジュエリーが並び、その細やかな職人技に足を止めて見つめる人も。僅かな面積いっぱいに刻まれたデザインにダイヤをふんだんに埋め込んだリングをみると、ついため息が溢れてしまいます。
「いつか私の指にも…」と想像を膨らませながら、日々ヴェッキオ橋を渡っています。

versicolori(Kaoruko Nakashimaさん)
Instagram:@versicolori
日々の暮らしの中でジュエリーに対する憧れが膨らんでいき、遂にその時が。
フィレンツェで活動するジュエリークリエーターのKaoruko Nakashimaさんに素敵なリングを制作していただきました。節目ともなる記念の年に自身のご褒美として注文させていただいた、念願の誕生日石入りのリング。表面にはトップの誕生石を際立たせる緻密で美しい植物模様が彫られていました。指にはめると、自然光にあたった彫りの模様と誕生石がきらきらと光り輝きます。Kaoruko Nakashimaさんの技術とジュエリーに対する思いがぎゅっと詰まった素敵なリング。念願が叶い、宝物が増えました。

Spezierie Palazzo Vecchio
(スペツィエリエ・パラッツォ・ヴェッキオ)
中世の名残がある街には当時の技術を継承してきた多くの工房が存在します。その中でも「薬局」の文字を見かけることは特に多いのではないでしょうか。薬局と一言で言っても薬やサプリメントを取り扱っているだけでなく、中にはそのお店オリジナルの香水や石鹸などを販売し、薬局とコスメショップを兼ねているところも。それも古い薬局であるほど、独自の製法を守り続けているため自然由来の商品が多い印象です。

フレグランスの棚
Spezierie Palazzo Vecchio(スペツィエリエ・パラッツォ ・ヴェッキオ)はヴェッキオ橋やウフィッツィ美術館とほぼ同じエリア、シニョーリア広場の片隅にあります。 Spezierie Palazzo Vecchioは1980年代末に設立されたブランドで、薬剤師であった設立者の長年の研究により生み出された香水や自然由来のコスメなどの商品を取り扱っています。 自然派にこだわり抜いたコスメは肌に優しいため、肌トラブルに悩んだ人が訪れることも。(私もお世話になりました。)
また、ルネサンスと自然にインスパイアを受けた香水も厳選された最高品質のエッセンシャルオイルと天然素材で作られています。香水のタイトルやその香りにはそれぞれストーリーが込められているため、香りを楽しみながらその意味を読み解き、自身に合ったお気に入りを見つけることができます。
*Spezierie Palazzo Vecchio HP参照
[PROFILE]
MISA
イタリア在住のフリーランスデザイナー。フィレンツェの美術専門校を卒業後、紳士服店のグラフィックデザイナー兼テキスタイルデザイナーで、今はフリーのグラフィックデザイナー等、活動している。
Instagram @misa_7979
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