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From FINLAND:冬の楽しみ方

 

もい!

 

フィンランドは四季がはっきりしていて、季節それぞれ魅力があります。フィンランドの冬は、寒くて長くて暗いというイメージがよくありますが、実は楽しみもたくさんあって、冬しかできないことも多い。

 

フィンランドの北部ラップランド、北に行けば行くほど気温が−30度まで下がる日もありますが、南フィンランドの冬は基本的に0度から−10度が一般的なので、毎日すごく寒いわけではありません。湿気もなくて空気が乾燥しているので、少し日本の寒さとの感覚が違います。また、家の中、お店やレストラン、バスなどがとても暖かいので、中に入るとすぐ温まります。

 

そんなフィンランドの冬をどういう風に過ごすか、今回のコラムでご紹介します!

 

雪が降ると絵本の中に入ったかのような世界に変身する私の地元タンペレ市。

 

季節を問わずアウトドア日和

以前のコラムでもお話しましたが、フィンランド人にとって森はとても身近なもの、日常生活の欠かせない一部。ちょっとした運動や散歩にも最適だし、少し気持ちが落ちているときとかに森に行くと、不思議なほど頭がすっきりして、気分もフレッシュになります。

 

そんな森ですが、真冬雪がいっぱい積もって寒いから行かなくなる、というわけではもちろんありません!

 

冬だからこそ多くの楽しみ、冬しかできないこともあります。冬になると多くの人はクロスカントリースキーやスケートを楽しんだりして、子どもの中でそり遊びもとても人気。真っ白の森で冬の絶景を見ながらハイキングして、焚火を作ってソーセージを焼いてやかんコーヒーでも作って、一瞬で日常のことを忘れてリラックスできます。森の中で食べるおやつ、なぜか何を食べても家で食べるより美味しく感じます。

 

ハイキングの休憩はソーセージやパンを焚火で焼く。

 

凍った湖の上でスキーやスケートをするのがフィンランドの冬の魅力の一つ

 

外に長くいると当然寒くなりますが、体を動かしたり重ね着したり、焚火で温まったりなど工夫をすれば、冬のアウトドアもすごく楽しくなります!メリノウールやヒートテックなどレイヤー、ダウンやスキー用ズボン、フリース、スノーブーツにニット帽、マフラー、分厚い手袋など、さすがに服装は多くなりますが、冬の森はとても魅力的なので準備する甲斐は間違いなくあります。

 

家の中でゆっくり

 

フィンランドは冬の日照時間が短いので、家の中の時間も当然長くなります。フィンランドに住んでいたときは意識していなかったが、フィンランド人はおうち時間が得意と最近よく聞きます。確かに考えてみれば、外食するより料理やお菓子を作って友だちを家に呼んだり、ゆっくり家族とおしゃべりしながら編み物を楽しんだり本を読んだり、サウナに入ってリラックスしたりして、冬の家の中の時間もとても充実して満喫しています。

 

冬は編み物を楽しむフィンランド人が多い。私もよく靴下を編んだりして家族にプレゼントします。

 

フィンランドは日本でもデザインが有名で、自然からインスピレーションを受けているものが多いです。フィンランド人の家を覗いてみると、森や湖、フィンランドの大自然を思い浮かべる家具や小物、食器などをよく見かけます。自然が冬眠していても、家の中でフィンランドの自然を常に楽しむことができます。

 

冬のサウナと言えば「アヴァント」

 

フィンランドの冬はサウナも欠かせません。寒い日に外で遊んだ後、運動した後こそサウナがとても気持ちよくて最高のご褒美です。

 

夏はサウナから湖に飛び込んでクールダウンする習慣はありますが、実は冬も湖に浸かります。冬になるとフィンランドの湖は凍りますが、そんな凍った湖に穴を開けて、サウナで体を温めてから入ります。この穴のことを「avanto(アヴァント)」と言います。最初は怖く聞こえるかもしれませんが、一度勇気を出して深呼吸しながら入ってみると、一瞬でハマります。

 

タンペレ市にある公衆サウナ、カウピンオヤサウナでアヴァントを楽しむ地元の人が多い。

 

冬の湖はもちろん寒いですが(厳密にいうと4度)、アヴァントから上がると最高に気持ち良いのです。体の中から湧いてくるポカポカ感がとても不思議で魅力的、外がマイナス気温になっていても、水着のままなのに全く寒く感じないのです。長くいるとまた体が当然冷えますが、またサウナに入ったら良いし、また熱くなったらアヴァントという永遠の楽しいループになります!

 

フィンランドの多くの公衆サウナではアヴァントが体験できるので、機会があればぜひ挑戦してみてください。森の中のクロスカントリーと合わせると、すごくフィンランド人らしいよ!

 

快晴でアヴァントをエンジョイ。因みに、私です。

 

2024年もよろしくお願いします!

フィンランドの生活そのものもそうですが、冬も自然やサウナなど、かなりシンプルなものを楽しみます。ときには外で遊んで、ときにはウールの靴下を履いてコーヒーを飲みながら家の中から窓越しで雪がゆっくり振っている森を眺めてのんびり過ごします。ある意味で夏のコラムでも話した「何もしないこと」をしますが、なぜかつまらなくなりません。

 

1月は新しい始まりを感じて、インスピレーションを受けるフレッシュな時期ですが、たまにはリラックスすることも忘れずに!

 

ということで、
Hyvää Uutta Vuotta!(ヒュバー・ウーッタ ヴオッタ) –
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。

 

[PROFILE]
Noora Sirola(ノーラ・シロラ)

フィンランド・タンペレ市出身。 大学院卒業後、2019年から駐日フィンランド大使館商務部兼フィンランド政府観光局で観光推進、PR&マーケティングなどフィンランドの魅力を様々なメディアで発信。2022年からは北欧旅行フィンツアーの表参道の北欧カフェ&ショップ「Hyvää Matkaa!」のプロジェクトマネージャーを務めながらフィンランドと日本を繋ぐコネクターとして活動。

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