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From FINLAND:フィンランドの夏の風物詩 屋外マーケット

 

フィンランドは冬が長くて暗いですが、夏は日照時間が非常に長いので朝から晩まで外で過ごします。ほとんどの人は夏の間4週間ほどの夏休みをエンジョイし、海外旅行をする人ももちろんいますが、夏はフィンランドが一番輝いている季節なので、国内の魅力もとても豊富で、フィンランドの良さを精一杯楽しむ人が多いです。

 

そんなフィンランドの夏で、多くの人にとって欠かせない行先の一つは、数多くある野外マーケット。

 

マーケットで夏の穏やかな雰囲気を満喫。

 

地元の人に混ざってマーケットを巡る

 

シンプルで素朴なテントが次々と並び、いろんな食べ物や雑貨が売られています。現地の人や観光客がさりげなく混ざり合い、カモメの鳴き声や楽しいおしゃべりがあちこちから聞こえてくる、早朝から賑わう夏のマーケット。モーニングコーヒーを飲んでいる人もいれば、朝のジョギング中に通りかかる人も、初めてフィンランドを訪れる海外の人も、休日の食事に新鮮な食材を探している人も。どこを見てもカラフルで美味しそうな誘惑が目に入り、ウィンドウショッピングだけではなかなか済まない。

 

ベリーや旬の野菜に溢れる首都・ヘルシンキの港にある野外マーケット。

 

フィンランドのマーケットは、日本と少し違ってお魚がそれほどなく、旬の野菜、ベリー、きのこなどを売っている屋台がほとんど。6月以降はベリーのシーズンなので、いちごやラズベリー、ビルベリーを目指してマーケットを訪れるのが一般的。どこの屋台で一番美味しいベリーを売っているか、どこが一番お得に買えるか、時間をかけて迷って悩んで比較します。夏の穏やかな日を楽しんで、時間の流れを忘れてマーケットをゆっくりめぐります。

 

秋が近づくとベリーの隣にきのこが並びはじめ、季節の変わり目を感じます。

 

フィンランドの郷土料理でお腹を満たす

 

マーケットは、その場で食べられるものも悩むほどあります。お腹が空いたらテラスに座って、夏の風を感じながら現地の料理を試してみるのもおすすめの一つ。フィンランドのマーケットと言えば、サーモンスープ、スモークサーモン、ライ麦粉をまぶしてバターで焼く子魚「ムイック」、フィンランドスタイルの薄いパンケーキなど郷土料理がたくさん。見慣れない美味しいものが多すぎてお腹のキャパシティとの勝負になるので、誰かと一緒に行っていろんなご飯をシェアして試してみると良いでしょう。

 

マーケットでたまに見かけるフィンランドの伝統的なサーモンの焼き方「ロイムロヒ」。

 

フィンランドスタイルのパンケーキ。注文し次第大きなフライパンで薄く焼いて、外がカリッとして中がモチモチ。上にホイップクリームとベリージャムをたっぷり。

 

マーケット自体は、大きな街から小さな田舎の村まで、夏になるといたるところでやっています。野菜やベリーのセレクションはそれほど変わりませんが、現地ならではの郷土料理が見つかるかもしれません。また、現地の人の手作りアクセサリーやバッグ、アートもよくマーケットに並んでいて、中古のアイテムやビンテージが見つかるフリーマーケットもたまにあるので宝物探しに最適です。

 

食べ物だけではなくジュエリーやバッグ、現地の人が作るハンドメイドの唯一無二のアクセサリーも見つかるかもしれません。

 

街によって出店者も人の雰囲気もその街ならではで違うので、いろんなマーケットをめぐるのは間違いなくフィンランド人にとっても、観光客にとっても楽しい夏のアドベンチャーになります。

 

ジャガイモで作った生地に大麦の粥が包まれ、上に卵バターを乗せて食べる、フィンランド人もなかなか知らない田舎の伝統料理。もちろんコーヒーとともに。

 

アイスを忘れずに

 

もう一つ、マーケットめぐりで忘れてはいけないこと:フィンランドの美味しいアイスクリーム。

 

フィンランドはアイスクリームの一人当たりの消費量は世界上位に入っていて、季節問わず冬も夏もアイスクリームを食べています。夏になると、スーパーの前やマーケット市場に小さなアイスクリームトラックや屋台みたいなキオスクが設置されます。定番のバニラやチョコレートはもちろん、ラズベリーチーズケーキや、フィンランド特有のリコリスやサルミアッキ味(ソルティーリコリス)、タールなど聞いたこともない味が数多く並んでいて選ぶに困るほど。市場での食べ歩きにでも、休憩してコーヒーとともに食べるのも、ぜひフィンランドらしく夏を満喫してみてください。

 

タンペレ市の夏のセントラルスクエアの風景。オレンジ味のアイスクリームに甘いチョコキャラメルが混ざっています。

 

[PROFILE]
Noora Sirola(ノーラ・シロラ)

フィンランドタンペレ市出身。 タンペレ大学大学院卒業後、2019年から駐日フィンランド大使館商務部兼フィンランド政府観光局で勤務を経て、その後北欧専門旅行会社に務める。2024年3月よりフィンランドを代表するテクノロジー会社に務める。フィンランドの観光促進、京丹後市の温浴施設「ぬかとゆげ」のサウナプロデューサーや日本モルック協会公認「モルックアンバサダー」など、様々な分野で日本とフィンランドを繋ぐコネクターとして活動中。

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