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From Denmark:わたしがデンマークを選んだ3つの理由

 

Hej! プロダクトデザイナーのERINAです。
今回から、デンマークにまつわるカルチャーやライフスタイル、デザイン・アート、ファッションなどのコラムを書かせてもらうことになりました。

 

2020年から数年間デンマークでの暮らしを経験し、今は出身である東京とコペンハーゲンを行ったり来たりしながら生活しています。
それまでずっと東京で暮らしてきた私が、東京で会社員を辞め海外に行くことを決めたときになぜデンマークを選んだのか。それには3つの理由があります。

 

①今も昔もすてきな北欧デザイン

 

YチェアPHランプなどきっと誰もが一度は見たことのあるであろう名作家具から、Bang & Olufsen(スピーカー)やHAY(家具・雑貨)などのモダンブランドまで、北欧のデザインは洗練されていながらも心を動かす美しさがあると思います。ただ海外生活を楽しむだけでなくデザイナーとしてのキャリアアップも目標にしていた自分にとって、その国のデザインが魅力的なのは重要なポイント。

 

デンマークの床材メーカー「Dinesen」のショールーム。

デンマークの床材メーカー「Dinesen」のショールーム。デザイナーとコラボした家具が展示されていました。

 

住んでみると、想像以上でした。街を歩いているだけでも目に入るものすべてがハイセンス!ファストフード店ですらデザイナーズ家具が使用されています。
また、デザインにそこまで関心のないデンマーク人ですら有名デザイナーやデザイナーズ家具の知見がある上に、自宅のインテリアがとても素敵。この環境で生まれ育っていたらセンスも自然と身につくか…と納得。

 

ファストフード店のおしゃれな店内で使用されるデザイナーズ照明。

ファストフード店のおしゃれな店内で使用されるデザイナーズ照明。

 

②デンマーク人のライフスタイル

 

働きすぎずプライベートの時間を大切にするデンマーク人のライフスタイルは、とても理想的で日本も見習いたいところ。平日はだいたい16時ごろが帰宅ラッシュ。金曜にもなるとデンマーク人はほぼ週末モードで、お昼すぎにはみんな仕事を終えて帰宅します。
仕事後は家族や友達との時間を楽しんだり、公園や運河沿いで寝転がって太陽の光を浴びたり、おうちでまったりしたり。

 

賑わう晴れた日の公園。画面左では大人たちがモルック(木の棒を投げて競うゲーム)で遊んでいます。

賑わう晴れた日の公園。画面左では大人たちがモルック(木の棒を投げて競うゲーム)で遊んでいます。

 

その上、夏休みは1ヶ月しっかり休んで夏を堪能しています。うらやましい…。
私がデンマークのデザインスタジオでお手伝いをしていたときは、上司の男性は子どもを保育園に迎えにいくといって15時ごろに颯爽と帰っていました。いいね!

 

運河沿いで短い夏を楽しむ人々。

運河沿いで短い夏を楽しむ人々。

 

③英語が話せれば生きていける

 

北欧はデンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語などそれぞれの国の言語が母国語ですが、みんな英語がとても堪能。世界116ヵ国の「EF EPI 英語能力指数ランキング」では毎年トップ10入りしています。(ちなみに1位はオランダ。日本は92位…)
スーパーやカフェなどでも、わたしがデンマーク語を話せないとわかった瞬間に迷いなく流暢な英語に切り替えてくれます。デンマーク語が話せなくても現地での生活に苦労することはほぼないので、良いのか悪いのかわからないですが、現地に長く住んでいるけどデンマーク語を話せない外国人もたくさんいます。デンマークの学校で英語学習が始まる時期は日本とそこまで変わらないようですが、どうしてみんなそんなに英語が堪能なのかデンマーク人の友人に聞いてみたところ、小さな国なのでアニメや本などなんでもデンマーク語に翻訳されているわけではないとのこと。学校で習って上達したというよりは、子どもの頃から日常生活のなかで英語に触れてきているのが主な理由のようです。またデンマーク語は文の構成や単語が英語と似ている場合が多く、ざっくり言うとひとつひとつの単語を英語に直訳するだけでいいので、デンマーク人にとってはとても覚えやすい言語のようです。(日本語と韓国語のような関係性だと思います)実はわたしもデンマークに行くまでそこまで英語を話せなかったのですが、デンマーク語を0から学ぶよりも英語を上達させたほうが早くみんなと自然なコミュニケーションが取れるようになると思い、デンマーク語の勉強は早々に諦めました(笑)。

 

ワインと食事は大事なコミュニケーションツール。

ワインと食事は大事なコミュニケーションツール。

 

短期滞在でも充分に魅力を感じられる国なので、ぜひチャンスがあれば一度行ってみてください。(ちなみにスカンジナビア航空は東京・デンマーク間の直行便セールをまあまあ頻繁に行っているのでおすすめです!)
それでは良い1日を。God dag!

 

[PROFILE]
ERINA CALDEIRA(カルデイラ エリナ)

1990年東京生まれ。東京とコペンハーゲンを拠点に活動するプロダクトデザイナー。武蔵野美術大学卒業後、生活雑貨メーカーにて企画・デザインを手掛ける。2020年デンマークに渡りデザインスタジオでの経験を経て、2022年「ERINA CALDEIRA STUDIO」を創業。現在は日用品、インテリア雑貨、家具などのデザイン・ディレクションを手掛ける。

 

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