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77 Metropolitan Museum: Camp

毎年、5月の第1月曜の夜に開催される、世界的に有名な華やかなファッションイベント、メットガラから始まった、ファッション展覧会が今週で幕を閉じる。

今改めて、今年の展覧会を振り返ってみようと思う。

1948年から年に1度開催され、今年で71回目を迎えたメットガラ。

メットガラはメトロポリタン美術館のコスチューム・インスティチュートと呼ばれる部門が主催する、毎年開催されるファッション展覧会のオープニングイベント兼、資金集めのためのパーティーなのだ。

 

1995年にVogue USの編集長、アナウィンターが主催者になり、より一層、注目を集める事になった。

その資金調達される額も、昨年の1300万ドルを超え、最高額の1500万ドルと言われている。

世界のセレブ達が毎年、アナウィンターの発表するテーマに沿ったコスチュームを着て出席をする、ファッション業界の中でも特にユニークで華やかな祭典だ。

今年の展覧会は1964年にアメリカのエッセイスト、スーザン・ソンタグが出版をした”CAMP: Note on Fashion”からインスピレーションを受けている。

キャンプ(CAMP)と言っても、海や山のキャンプの話しではなく、ソンタグはフランス語の”se camper”(誇張したファッション)を意としている。

“キャンプ”は美的スタイルや感性であり、悪趣味や皮肉的なものでありながらも、魅力的に見えることであり、説明が難しいもの”とも。

本の中でソンタグは51の彼女の考える”キャンプ”を例にあげている。

キーワードは皮肉、ユーモア、模倣、パロディ、誇張、人工的。

ソンタグはゲイカルチャーを支えるドラッグクィーン達のファッションセンスに衝撃を受け、この彼女のエッセイの中で語られる言葉はゲイコミュニティーにも影響を与えていると言われている。

入口を入るとまずヴィヴィアン・ウエストウッドのレギンス

 

17世紀頃のファッションの文献

 

展覧会では17世紀から現代までの作品約250点が展示されている。

“キャンプ”に込められたメッセージを理解し、この展覧会を鑑賞するとそれぞれのファッションの中に込められたメッセージが伝わってくる。

そこには固定概念はなく、デザイナーが自由に発想をし、ファッションを通してその時代のカルチャーやインスピレーションを表現している。

10月になるとまた来年のファッション展覧会のテーマそしてメットガラのテーマが発表されることになる。

来年はどんな楽しいファッション展覧会が開催されるのか楽しみだ。

 

1997年に発表したディスコセーラースーツ。
ジャン・ポール・ゴルチエの作品。
20世紀になるとセーラーコスチュームはセクシーさを表現するゲイコスチュームの象徴となった。

 

2013年にモスキーノのクリエィティブディレクターに就任したジェレミースコットが2018年に発表した作品。
パープルに染まったオーストリッチの羽で作られてる。

 

アンディーウォーホールの代表作品の一つ、Campbell’s Soup Cansをキャンベル社がこのペーパードレスを広告・宣伝用に作成。

 

 

 

The Metropolitan Museum of Art
1000 5th Ave, New York, NY 10028
metmuseum.org

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