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皆さん、Tampere（タンペレ）というところ、聞いたことがありますか？　フィンランドの首都ヘルシンキから鉄道で1時間半くらいのところにある、森と湖に囲まれているフィンランド第3の都市。昔工業都市として盛んになったこの街は、最近路面電車や新しいイベントアリーナが完成し街の発展が早く、今はフィンランド人が住みたい街のランキングのトップに輝いています。

そして実は私の故郷でもあります！　ずっと保育園から大学院卒業までタンペレの豊かな自然に恵まれて、安定した生活を過ごしてきました。

元々工業都市だったタンペレの街中の未だに残っている赤レンガの建物は魅力的。

タンペレと言えば

この数年、タンペレは観光地として人気が高まり、多くの日本人も大好きなあるところがタンペレに隠れています。
そうなのです、世界唯一のムーミン美術館です！

ムーミン美術館の前で優しくお迎えしてくれるムーミン。

フィンランドと言えばムーミンが頭に浮かぶ方が多いと思いますが、ムーミンの物語の中に飛び込めるのはここタンペレなのです。美術館にはムーミンの作家、トーベ・ヤンソンが描いた原画や、パートナーのトゥーリッキ・ピエティラと作った貴重なムーミン一家のミニチュアジオラマは何時間も見ていられます。嬉しいことに多くの案内は日本語の表記もあります。

また、日本でもよく見かけるタンペレの魅力と言えば、Finlayson（フィンレイソン）というフィンランドを代表するテキスタイルブランドの故郷もタンペレです。1820年に創業したブランドは、フィンランドで最も歴史の長いテキスタイルブランド、実はマリメッコよりも古いです。

カラフルな象柄や華やかな花をモチーフにしたパターンが特徴で、長持ちしてそこまで高額ではなく、フィンランド人の住宅のいたるところにフィンレイソンのものを目にします。私も、ずっと子供のごろからタオルやシーツなど、多くのものを使って生活してきましたが、フィンレイソンのものであることすら知りませんでした。この前見てみたらフィンレイソンだったことに気づきました。それほど日常生活に馴染んでいる老舗ブランドです。

フィンレイソン本店の前の床にまで明るい気持ちになる花柄を発見

世界サウナキャピタル

タンペレは工業都市として発達したので、昔から公衆温浴文化が豊かです。日本は最近サウナ文化が全国で盛り上がっていますが、実はタンペレには個性のある公衆サウナが40ケ所以上もあり、2018年に「世界サウナキャピタル」に任命されました。
昔ながらの雰囲気が楽しめる、110年以上の歴史のあるフィンランド最古の公衆サウナもあれば、自然に囲まれた湖畔サウナやおしゃれなレストラン併設の都会サウナもタンペレにあります。フィンランドの日常生活の欠かせない一部であるサウナは話が長くなりますので、また今後の機会に詳しく紹介します。

タンペレはサウナ目的の観光客が最近増えています。

タンペレの中心地は、国の第3の都市のわりにだいぶ小さくてどこもアクセスしやすくて、だいたいのところに徒歩で簡単に行けます。雰囲気としてもだいぶのんびりした街なので自分のペースで、その日の気分のままで散策するのがおすすめの楽しみ方。

なんでもそろっている便利な街でありながら自然もすぐそばにある

探せば探すほど魅力が多いタンペレ。小さなカフェやレストランがいたるところにあるし、美術館やショッピングモールも楽しめるし自然もすぐ隣。疲れたらサウナでリラックスできますし、楽しみ方は人それぞれ。足を少し伸ばしたら毎日のように新しいことに出会えます。

また、タンペレならではの名物、世界一美味しいドーナツである「Munkki（ムンッキ）」やリンゴンベリーを添えて食べる黒いソーセージ「Mustamakkara（ムスタマッカラ）」も忘れずに。どんな味なのか、タンペレに旅して体験してみてください。

タンペレの名物、カルダモン香る揚げパン「Munkki（ムンッキ）」。

[PROFILE]
Noora Sirola（ノーラ・シロラ）

フィンランド・タンペレ市出身。 大学院卒業後、2019年から駐日フィンランド大使館商務部兼フィンランド政府観光局で観光推進、PR＆マーケティングなどフィンランドの魅力を様々なメディアで発信。2022年からは北欧旅行フィンツアーの表参道の北欧カフェ＆ショップ「Hyvää Matkaa!」のプロジェクトマネージャーを務めながらフィンランドと日本を繋ぐコネクターとして活動。