TOP > TOPICS > From FIRENZE:世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」
COLUMN
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局
街中に多くの教会が建つフィレンツェ。シンボル的な存在の大聖堂をはじめとする様々な教会が至る所で見られます。そんな数ある教会の中でも今回注目するのは、大理石のファザード(建物の正面部分)が美しい、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会。観光名所でもある教会には多くの人が訪れますが、実はそこから少し離れた場所にも歴史的なスポット、教会と同じ名前を冠した世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」が存在します。
薬局のショーウィンドウ
薬草園を彷彿とさせるショーウィンドウと趣のある入り口が訪れる人々を出迎え、廊下の天井には花々が飾られていました。建造物自体が長い歴史を持つため、薬局とは思えないほど店内は荘厳な雰囲気に包まれています。
香水のカウンター
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の始まりとなったのは1221年、ドミニコ会の修道士たちが修道院を設立し、そこで植物の栽培を行うことにより徐々に薬草から薬、軟膏などの知識を深めていきました。やがてその功績が認められ、当時のトスカーナ大公から王家御用達の称号を与えられる事になったのです。何世紀にも渡り培われてきた豊富な経験と知識は、化粧品やフレグランスといった現代の私たちが使用する身近なアイテムとして姿を変え、日々の暮らしを支えています。そんな薬局のアイテムは重厚感のある店内の雰囲気と合わせるようなエレガントなデザイン。人気商品である香水のカウンターには自身に合った香りを求める人たちが、香水の香りと可愛らしいボトルのデザインを楽しむ姿が見られます。中でも薬局で最も古いフレグランスと言われるアックア・デッラ・レジーナやローズウォーターは現在に至るまで人々に愛され続けている人気商品なのだとか。
石鹸の部屋
煌びやかな広間の隣にあるのは、ポプリや石鹸のコーナー。肖像画や彫刻のレリーフに飾られた部屋は、まるで貴族のお屋敷の中。完璧なレイアウトによって一つ一つが丁寧に並べられたポプリや石鹸は、売り物というよりもどこか店内デザインの一部のようにも見えます。さらに奥に進むとアンティークレシピのアイテムが並ぶ変わったお部屋が。香水や石鹸のある広間とは違い、落ち着いた雰囲気に包まれていました。壁に沿うように配置された薬品棚の中には、古いフラスコや薬瓶などが飾られ、販売されている商品からだけでなく室内からもそのアイテムの歴史の深さが伺えます。
薬品棚の部屋
中世の歴史的な雰囲気の中に洗礼されたアイテムが並ぶ、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局。最近では東京を中心に店舗が進出し、国内でも気軽に手に入るとの事。 お気に入りの香りを見つけ、ちょっとした自分へのご褒美に良いかもしれませんね。
ナポリのピザ
*おまけ
真夏のイタリア。8月はバカンスの時期ということで、青い海と太陽を求めて向かう先は南イタリア、ナポリ。そんな海と美食が楽しめるナポリで本場のピザを頂きました。もちもちの生地に素材の味がしっかりとしたソースと濃厚なチーズが見事にマッチ。基本的にピザはハズレを探す方が難しいと言われるイタリアですが、さすがは本場。ナポリを訪れた際にはご賞味あれ。
[PROFILE]
MISA
イタリア在住のフリーランスデザイナー。フィレンツェの美術専門校を卒業後、紳士服店のグラフィックデザイナー兼テキスタイルデザイナーで、今はフリーのグラフィックデザイナー等、活動している。
Instagram @misa_7979
Coming soon : MARcourt marché KOBE
From Paris:パリ大型美術館が長期休館へ
Special contents:2024 Autumn light outer MIDIUMISOLID
From FIRENZE : 特別編 プレスと巡るイタリア ~ トスカーナを訪れて ~
Coming soon : MidiUmi POP UP STORE 浦和パルコ