カフェテリアGilli（ジッリ）

3月を迎え春の訪れを感じるこの頃。街のカフェテラスにはコーヒータイムを楽しむ人たちの姿が多く見られます。コーヒー文化のイタリアでは食後には必ずと言って良いほどコーヒーを頼み、ちょっとした休憩の際にはカフェを訪れそこでもコーヒーを片手に談笑を楽しむなど日常生活に必要不可欠な存在となっています。故に、街中には老舗のカフェからモダンでお洒落なカフェまで幅広く存在し、それぞれこだわりの一杯を楽しむことが出来るのです。
その中でもフィレンツェで老舗として知られているのが以前に紹介したカフェ「GiLLi（ジッリ）」。1733年創業という270年に亘る歴史をもち、現在でもフィレンツェのシンボル的なカフェテリアとして地元の人々から親しまれています。
昼間はカフェテリアとしてコーヒーやドルチェを楽しむ人々で賑わい、夜は友人とお酒を酌み交わし昼間の疲れを癒す方々の姿が。店内は重厚な雰囲気に包まれ、それに合わせ装飾の施されたアンティーク時計やシャンデリアが訪れた人々を迎えます。カウンターの中にいるバリスタがコーヒーを入れる姿には無駄がなく、思わず見とれてしまうほど。
そんな荘厳な雰囲気を纏う店内と一転し、テラスは観光名所のひとつでもあるレップブリカ広場が一望出来る全面ガラス張りとなり、ゆっくりとソファに腰掛けながらその眺めを楽しめる仕様になっています。

La Ménagère（ラ・メナジェール）

さて、そんな老舗カフェテリアが点在するフィレンツェですが中にはモダンでお洒落なお店も存在します。
街の中心部、サン・ロレンツォ教会から少し歩くと美しい植物に彩られたお洒落なカフェテリアが目にとまります。革工房や老舗のジュエリーショップが立ち並ぶ通りに店を構えるLa Ménagère（ラ・メナジェール）は植物を組み合わせた空間デザインとこだわりのプロダクトに囲まれた人気のカフェテリアです。それぞれのエリアに合わせたプロダクトやオブジェを飾ることで訪れる人の目を楽しませ、また落ち着いたプライベートルームではゆったりとした時間を過ごすことがきます。

広い店内はエリアごとのデザインコンセプトが

店内にはフラワーショップや小さなホームアクセサリーを取り扱うカウンターが置かれ、食事を堪能しながらショッピングを楽しむことも。お洒落な食器にテーブルクロス、可愛らしいイラストブックなどラ・メナジェールこだわりのアイテムを手にする事ができます。
カフェテリアやレストランでありながらフラワーショップやホームアクセサリーを扱う一面を持ち、統一性を持たせた店内の雰囲気からは高いデザイン性を感じます。

店内のフラワーショップ

そうした店内のイメージはラ・メナジェールのバーテンダーご自慢のお洒落なカクテルにも反映され、メニューひとつひとつにもしっかりと気を配る徹底ぶり。
老舗のカフェテリアで土地の歴史を感じながら過ごした後、モダンな空間でお洒落なカクテルを楽しむのもいいかもしれませんね。

ホームアクセサリーショップ

スワンのラテ・アート

＊おまけ
朝ごはんにカプチーノを頼むイタリア。カフェテリアにもよりますがバリスタさんが可愛らしいラテ・アートを施してくれることもしばしば。定番のハート型にリーフ型、そしてレアなのがスワン型です。出てきた時には感動、そして飲むのが勿体無いと思わずにはいられないラテ・アート。1日の始まりを明るくしてくれるそんな一杯です。

[PROFILE]
MISA

イタリア在住のフリーランスデザイナー。フィレンツェの美術専門校を卒業後、紳士服店のグラフィックデザイナー兼テキスタイルデザイナーで、今はフリーのグラフィックデザイナー等、活動している。
Instagram @misa_7979